2015年1月20日火曜日

1月18日 寺社と古木・名木 建長寺のイブキ

信仰の場である寺社には、古木・名木が多く見られます。私の住む横浜市栄区に面した鎌倉市には、ご存じの通り鎌倉時代の寺社が沢山あり、そこには同時に素晴らしい古木・名木があります。「植物歳時記」でも何回もご紹介しましたが、寺社仏閣の写真と共にばちぼちと再紹介します。

建長寺は鎌倉時代・建長5年(1253年)に建立された臨済宗建長寺派の総本山。どこをみても凄いお寺です。でも、実は私が一番好きなのは「釈迦苦行像」。これはパキスタンのラホール中央博物館にある実物のレプリカですが、レプリカ自体が世界に一つしかないパキスタン政府の公認品です。これを初めて見たときの衝撃は凄かったのを、今でもよく覚えております。












そして、いつみても、ゾクっと寒気がするほど凄いのが「建長寺の柏槙(ビャクシン)」
柏槙は標準和名をイブキという針葉樹です。

イブキ
Juniperus chinensis
イブキ科ビャクシン属の常緑針葉樹
原産:中国~日本の本州
別名:柏槙

雌雄異花の高木です。この仲間はナシの赤星病の宿主となるため、ナシの産地では条例で植栽が禁止されていることもあります。こいつの仲間のセイヨウネズの実はジュニパーベリーと言われ、スパイスとして使われ、ジンの香りの元として有名です。

さて、建長寺のイブキです。幹周6.5m、樹高13m、推定樹齢750年。凄まじい風格の古木で、神奈川県の名木百選にも選ばれています。荒々しいイブキ独特の樹皮。広大な樹幹。意外と樹勢が良いように感じるのは、樹木医の先輩方のご尽力のお蔭かもしれません。個人的なことですが、私は特定の宗教を信仰していません。しかし、巨樹を見るたびに寒気を感じるほど心が動き、何か神性を感じます。もしかしたら「八百万の神」を信じているのかもしれません。



























2015年1月18日日曜日

1月18日 霜柱のこと

関東人にはお馴染みの霜柱
これって、意外と他の地域では探すのが困難だったりするって知ってました?
霜柱とは、地表面が氷点下になると、まず地表が凍り、そのあとに毛細管現象で地中から出てきた水分が地表面で順次凍っていき、上部に氷柱が成長していく現象です。
実は、霜柱ができるには、温度条件はもとより、土の粒子の大きさや、土壌の柔らかさなどが影響していて、踏み固められていない関東ローム層は、霜柱ができる条件が揃っているのです。
最近は、関東でも踏み固められていない関東ローム層が表土になっている場所が少なくなり、綺麗な霜柱を見ることが少なくなっていますね。
今回は、鎌倉・建長寺で、久しぶりに美しい霜柱を見たので話題にしてみました。

ちなみに、シソ科の宿根草でシモバシラという植物もあります。関東以南に分布しているようですが、まだ見たことはありません。冬場に枯れた茎の維管束に根から水分が送られて、これが凍って美しい氷柱となるそうです。是非とも見てみたい植物ですね。














2015年1月15日木曜日

1月12日 逆光と植物

冬場は太陽の南中高度が低くなるため、逆光写真をとるチャンスが多くなります。植物写真も同様です。
図鑑的な写真にはなりませんが、類型的ではあるものの、情緒に溢れた美しい写真が撮りやすくなります。また、葉脈の様子などは、レントゲン写真のように逆光の方が良く見えます。
逆光写真を撮りたいときは、太陽の方向に向かって歩いてみましょう。少し注意していれば、逆光に透ける植物が目に入るはずです。次は、バックが暗くなるポジションを探しましょう。対象物が引き立ちます。構図を決めたら、シャッターですが、露出補正があるカメラならば、露出オーバーとアンダーも撮影しておくと良いと思います。私は大体の場合は、アンダー気味にしています。

こんな風にしてシデコブシの蕾を逆光で撮ると




次は同じ蕾を反対側から順光で撮ると



まあ、好みの問題ですが、私は逆光写真の方が好きです。

12日は絶好の逆光写真日和。植物が逆光に輝く写真をアップしておきます。


ギシギシ?



ススキ



クズ



センダングサ



セイタカアワダチソウ



アラカシ?



シダの仲間



シラカシ



2015年1月11日日曜日

1月2日 紫色の葉たち

冬になると葉を紫色に変える植物が多く見られます。
これは、アントシアニンという色素配糖体(色素本体のアントシアニジンと糖が結びついたもの、ちなみに色素本体と色素配糖体を合わせてアントシアンと呼びます。自然界ではほとんどが色素配糖体の形で存在します)が蓄積されるためなのです。その理由は?といわれると諸説あるようで…

①耐凍性をあげるため
細胞内に糖を含むアントシアニンを蓄積し、凍結による細胞の破壊を防ぐ。

②光合成の明反応部分の効率を下げるため
光合成はエネルギー(ATP)を作る明反応と、エネルギーを使って二酸化炭素を固定する暗反応に分かれます。低温(高温、過湿、乾燥)などのストレスにさらされると、暗反応の効率が落ちて、明反応で作られたエネルギーが活性酸素を作るのに使われてしまい、出来た活性酸素が光合成回路を破壊してしまいます(光阻害)。これを防ぐために、紫外線の吸収効率が高いアントシアニンを蓄積して、わざと明反応の効率を下げる。

この二つが代表的な理由のようですね。

まあ、生命の営みは不思議なものですから、植物に聞いてみたら案外
「冬のファッションだよ!暖かそうで良いだろ!」
と言うかもしれませんね(笑)

いずれにしても、紫色の葉は、植物たちの冬場の装いです!


センニンソウ?



センニンソウ?



ジシバリ?



ハルノノゲシ?



ヒメスイバ?




2015年1月10日土曜日

1月2日 冬の樹形

そういえば、書き忘れてましたが、「新・植物歳時記」の毎回のお題目は、写真撮影の日付と植物名(自然現象)という構成です。「植物歳時記」では、お題目に結構頭を悩ませたのですが、これなら悩みません。おまけに、このブログには検索機能が無いため、題目に直接的に内容が反映される方が親切かなと思い…。と、思ったら検索機能ありました(笑)。試してみたらけっこう便利…。まあ、それはさておき…。

今回は家のそば(栄区)でみた素敵な風景から。

本来、この地域は常緑広葉樹で構成される「照葉樹林」の地域です。しかし、現在残る植生は、ほとんどが木材用として植林されたスギ・ヒノキか、薪や炭などの燃料用として植林されたコナラなどの落葉広葉樹からなる薪炭林です。

言うまでもなく、落葉樹はこの時期は葉が落ちています。常緑のスギ林をバックに、葉が落ちた落葉樹の樹冠が美しく輝いていました。はっきりと樹形が判るのは、この季節の楽しみです。

こんな時、露出を落とし気味にし、また、モノクロームで写真を撮るのも面白いものですね。

















2015年1月7日水曜日

1月2日 ロウバイ(蝋梅)

年明けと同時に咲く花と言えば、これを忘れてはいけませんね。場所によっては年内からぼちぼち開花する株もあるくらいです。

ロウバイ
Chimonanthus praecox
ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木
原産:中国
別名:唐梅など











 ロウバイ(蝋梅)の名前は花が蝋を塗ったような色調と光沢だからと言われています。別名の唐梅は中国原産ということからですね。
 梅と名が付きますが、ウメとは縁もゆかりもない植物です。落葉樹だと思いますが、この時期まで少々緑が残る葉をつけていることも多いように感じます。
 ロウバイは早春真っ先に咲くありがたい花ですが、それをさらに印象付けるのがその香り。なんとも表現できない良い香りで、撮影が楽しみな植物の一つです。
 また、花の時期にもカマスの様な実が残っており、この中に種子が入っています。実生で増やしやすい樹種と言われているようです。今回も三粒ほどいただいたので、播いてみようかと思います。ただし、この種子は、少々G(ゴキブリ)の卵嚢に似ているのが気になります(笑)。それと、今回、種子を採るために実を砕いていたら、中から数匹の白い幼虫が…。驚きました。ロウバイだけに狼狽しました…。なんちゃって…。新年早々、お後が宜しいようで…。


2015年1月4日日曜日

1月2日 ボケ(木瓜)

 皆様、明けましておめでとうございます!本年も「新・植物歳時記」をご贔屓のほど、よろしくお願い申し上げます。

 さて、新春とはいえ、実際の春はまだまだ遠く、植物たちも夢の中です。そんな中でも、いくつかの花木や、球根植物は花をつけ始めて新春を彩ってくれています!

ボケ
Chaenomeles speciosa
バラ科ボケ属の落葉低木
原産地:中国











 中国原産とはいえ、園芸的には馴染みの深い植物ですね。様々な品種があり、これは自宅そばでは毎年、最も早く開花する株です。原種はおそらく樹高が1~2m位で、濃い朱色の一重の花を咲かせると思われます。この株は白とピンクの絞り咲きで、いかにも「初春」という色が美しいですね。
 品種によっては夏以降に、ウメを細長くしたような実が採れて、これは果実酒に利用可能です。
 日本には近縁種のクサボケ(Chaenomeles japonica)が自生しています。これは、開花期が3月~4月頃とずっと遅く、樹高も30㎝位とコンパクトで、朱色の花を咲かせます。自宅そばで野生株を確認しているので、花が咲いたらアップしたいと思います。
 名前は、瓜の様な実がなる木「木瓜」(もっけ)が、転訛して「ボケ」となったという説が主流のようです。