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2015年2月27日金曜日

2月21日 ウメ

今更、説明もいらない早春の花木代表ウメ

ウメ
Prunus mume
バラ科サクラ属の落葉樹
原産地:中国

この樹は話題が多すぎて困ります(笑)
花で分けると、私が見たことあるのは、白一重緑軸(緑萼)、白一重赤軸(赤萼)、白八重、赤一重、赤八重です、一番好きなのは白一重緑軸で、花びらの色の純白が際立ちます。それでは、まずは写真から…


白一重緑軸



白一重緑軸



白一重緑軸



白一重赤軸



白八重



白半八重緑軸?



赤一重



赤一重



赤八重



赤八重


 分類としては、野梅系、紅梅系、豊後系に分けられます。大きな実がなるのは豊後系で近縁のアンズとの交配種が多く、梅干しに用いられます。いわゆるカリカリ梅は野梅系でしょうか?
 有名な南高梅(なんこううめ)は、和歌山・南部高校の竹中先生が品種の成立に尽力されたため、校(みなべこうこう)からとって南高梅と名付けられたそうです。南部の梅農家さんに梅酒をご馳走になったことがありますが、容器いっぱいまで南高梅を詰め込んで、ブランデーで漬け込んだそれは、後にも先にも味わったことのない最高の梅酒でした。
 
 青梅には青酸が含まれているので、生食はいけません。造園的には梅の木を池の縁に植えることがあるのですが、青梅に含まれる青酸がボウフラの抑制に役立つからという説もあります。また、種子の中心部のいわゆる「天神様」も毒性が強く、生食は危険です。ただし、塩やお酒で漬け込むと毒性が消失しますので、梅干しや梅酒はもちろん、問題ありませんよ。

 ウメは酸味料として古くから利用されており、「いい塩梅」とは、ウメと塩の味付けが上手くいった様子からの言葉と言われています。

 平安時代より前は、花見はウメで行ったようで、花といえばウメを指したようです。

 宮崎県にある「座論梅」は、樹齢600年と言われ、一本の木から出た枝が地面と接触する場所で発根し、それを繰り返して林を形成していると言われる珍しいものです。一度見たことがありますが、流石の風格でした!
 
 菅原道真が大宰府に飛ばされたときに謳った
「東風吹かば 匂いおこせよ梅の花 主なきとて 春な忘れそ」
という句は有名ですね。東風は「トンプー」ではなくて「こち」と呼んでくださいね(笑)
東風は弥生(3月)の季語ですが、私の自宅そばでは、濃い赤の八重品種が1月中旬頃から開花し始め、2月20日頃にはどの品種も咲き始めるようです。


2015年2月25日水曜日

2月21日 フキ

 そこいらへん何処にでも生えている植物でも、写真を撮るのに良い場所と言うのは案外少ないものです。
 植物自体が健全なことは勿論、生育環境、周辺環境、光線の具合が良く、しかも、写真を撮っていても叱られない、もしくは怪しまれないことも重要です(笑)
 そんな場所を私は密かに「狩場」などと言っているのですが…。私にとって、フキノトウ(フキ)の狩場は今回紹介する写真を撮った、栄区のとあるガードレール脇です。

フキ
Petasites japonicus
キク科フキ属の多年草
原産国:日本など
別名:ばっけ、ぼっけ、ふきのとう、など















 フキの蕾はご存じ「ふきのとう」。早春の味覚としてお馴染みですね。天ぷらやフキ味噌はもちろん、バターで炒めてパスタを和え、それに玉子の黄身を落としてかき混ぜて食べてもいけます!葉っぱが展開した後、葉柄を煮ものにするのも美味しいですね。
 秋田に生息し巨大な「アキタブキ」は、種としては同じ、Petasites japonicusですが、染色体数が2倍(4n)の4倍体とのことです。さらに巨大な「ラワンブキ」も、アキタブキの変種扱いのようですね。

2015年2月22日日曜日

2月14日 タマネギ

タマネギ
Allium cepa
ヒガンバナ科ネギ属の多年草(園芸的には1~2年草)
原産:中央アジア







 お馴染みのタマネギ。言わずと知れた食材ですが、栽培の様子を見たことのない方もおられるのでは…。今回は、わがベランダから情報をお届け。
 このタマネギは、昨年秋に、ペコロスの様な小さなタマネギを3リットルポットに植え付けたものです。これを「セット栽培」などと呼びます。もちろん、タネをまいて、苗を作っても良いのですが、意外と神経質で難しいので、セット栽培にしました。遊びで1玉だけ植えたのですが、ブログの役に立ってくれました(笑)。
 葉付タマネギとしての利用ならそろそろ収穫OK。貯蔵用のタマネギとしての利用なら、茎が自然と折れてからの収穫となります。
 葉っぱの基部の重ねが十二単の様で綺麗ですね。ちなみに、犬や猫に与えると溶血が起こることがあり有害ですからご注意を!
 以前の分類ではネギ科ネギ属だったのですが、遺伝子を元にしたAPG分類では、クサスギカズラ目ヒガンバナ科ネギ属となってしまい、植物旧人種(笑)の私などには、大変に違和感があります…。



2015年2月20日金曜日

2月14日 啓蟄?

 今年の啓蟄は3月6日なのですが…
 風もなく暖かかった2月14日には、越冬型成虫のナナホシテントウ(Coccinella septempunctataが日向ぼっこに出てきていました。




 ちなみにナナホシテントウは成虫・幼虫ともにアブラムシを捕食する益虫(人から見ればですが…)で、ナミテントウ(Harmonia axyridisなども同様です。おなじテントウムシなのに、オオニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctomaculataなどは、ナス科の植物の葉を食べる害虫です。これだけ、食性が違うのも珍しい気がします。
 また、テントウムシは様々な色と模様があるように見えますが、一般種のナミテントウは個体変異が非常に大きい種で、オレンジ無地、オレンジに黒の10星、オレンジに黒の17星、黒地にオレンジの2星、黒地にオレンジの4星、黒地にオレンジの6星、黒地にオレンジの10星などが知られています。この辺の事情を知らないと、全て違う種だと思ってしまいますね。
 テントウムシの情報はググったのですが、おなじテントウムシにしては学名が属名の部分から違いすぎます…。怪しいので少し勉強してみます…。続報を待て!
 写真中に見えているイネ科の草は、おそらくオニウシノケグサ(トールフェスキュー:Fesutuca arundinacea)です。法面保護などに播種されることが多かった当種はあちこちで帰化しています。

2015年2月18日水曜日

2月14日 ヨモギ

ヨモギ
Artemisia indica
キク科ヨモギ属の多年草
原産地:日本
別名:もちぐさ、もぐさなど





山菜というには非常に身近な植物、ヨモギ。あまりに身近に見られるので、ヨモギと気づかない人も多いようです。
 草餅には、新芽を湯がいたものを使います。お灸はコイツの葉を乾燥させ、表面の毛をまとめたものです。さらに、沖縄ではフーチバーと呼び、おかゆに入れたり、ヤギ汁に入れたりするごく一般的な食材ですし、天ぷらにしても美味しいそうです。
 ここまでは、人にとってプラスの側面。マイナスの側面としては、秋に咲く花から飛ぶ花粉が花粉症の一因となることが知られています。また、非常に強健な種なので、法面などでは優先種となって蔓延ることも多いようです。
 何事もプラスだけとはいかないようですね。まあ、いくら採集しても絶えることは無さそうな野草の一つなので、どんどん摘み取って食生活に反映させましょう!

2015年2月15日日曜日

2月7日 フクジュソウ

春を告げる花の代表格です。

フクジュソウ
Adonis ramosa
キンポウゲ科フクジュソウ属の多年草
原産地:日本(九州~北海道)
別名:元日草、朔日草など

縁起の良い感じなので、お正月にマンリョウなんかと寄せ植えにされた開花株が売られていたりしますね。でも、あれは促成栽培で開花させたもので、横浜で露地植えにすると、今頃から開花するようです。学生時代を過ごした岩手では、姫神山の麓にフクジュソウが沢山自生している場所がありました。早春、初めて見たときは、もの凄く感動したことを良く覚えています。
開花の後半から展開する葉っぱは美味しそうな感じもしますが、アドニンという強烈な毒素を含んでいるので、決して食べてはなりません。まあ、キンポウゲ科(アネモネの仲間)は毒草が多いのですが。
学名のアドニスは、ギリシャ神話に出てくる美少年のアドニスなのかなと思い、調べてみたらやはりそうでした。アドニスが殺されたときに流れた血の跡から、やがてアネモネの花が咲いたという伝説に由来しているようです。アネモネもキンポウゲ科の代表的な植物ですからね。




2015年2月13日金曜日

2月7日 猫…都会の野生

新・植物歳時記では植物以外の自然にもたまには触れたいと思っています。

今回は、お馴染みのネコ

ネコ科ネコ属ヤマネコ種イエネコ亜種
Felis silvestris catus

遺伝的な解析で、リビアヤマネコを起源とし、紀元前3,000年ころのエジプトで今のイエネコの形に固定されたことが判っています。
農耕を始めた人類が、貯蔵した穀物をネズミの害から守るために飼い始めたと言われています。
しなやかな体をもち、イヌの様な追跡型の狩りをする動物と異なり、待ち伏せ型の狩りをする動物なので体臭が少ないのも特徴です。待ち伏せしているのに体臭がきつかったら、狩りの対象が「臭っ!あそこに隠れてるな!」と気付いてしまいますからね(笑)
飼いネコになると、ツンデレのところがたまらない魅力ですね。
でも、枯草の中から、じっとこちらを窺うその姿は、草原で獲物を狙うヒョウのミニチュアです。





2015年2月11日水曜日

2月7日 樹皮の楽しみ

冬は、樹皮や冬芽をじっくりと眺めるチャンスです。
私のようなマニアになると、樹皮を見ただけで、ピタリと樹種を当てることができます。当てられると思います。当てられるんじゃないかな。まあ、半分くらいは…(笑)

さて、今回は試験です。
これから、下の写真を見て、樹種を当ててください!



































①イチョウ
イチョウ科:一属一種の生きた化石。どちらかと言うと針葉樹に近い。

②サクラ
バラ科:お馴染みのソメイヨシノ。横向きに裂ける表皮が特徴的。

③クスノキ
クスノキ科:その昔、樟脳はこの木からとった。

④イヌシデ
カバノキ科:ヘーゼルナッツの木(セイヨウハシバミ)なんかと比較的に近縁。

⑤ケヤキ
ニレ科:関東の代表的樹種。箒型樹形の典型樹。

⑥シラカシ
ブナ科:小柄なドングリが可愛らしい。

⑦アラカシ
ブナ科:もともとは平滑な樹皮だが、カシアカカイガラムシの寄生によってざらざらに…。

さあ、幾つわかりましたか?しかし、これは地味だけど制作が楽ちんで良いな(笑)



2015年2月10日火曜日

2月6日 草霜

 草霜というのはオリジナルの言葉です(たぶん…)

 太平洋を南岸低気圧が通過した2月5日。翌日の6日早朝は何もかも凍りつく厳しい寒さとなりました。
 前日の雪交じりの雨で濡れたところは全て真っ白に凍りついています。日が当たった遠景は、地面と空気の温度差で出来た霧で真っ白です。
 植物たちも、それぞれに特有の霜を身にまとって寒そうです。これを草霜(くさじも)と呼びたいと思いました。
 撮影のチャンスは明るくなってから、陽が当たるまでのわずかの時間。日が当たれば草霜は幻のように溶けてしまいます。
 私は、永遠の輝きのダイヤモンドよりも、一瞬の輝きの草霜に、かえって「永遠」を強く感じてしまいます。皆様は如何?