新・植物歳時記 ~Nature and plants in Kanagawa~
日本家庭園芸普及協会の広報委員(神奈川県在住)が、神奈川県の自然と植物の話題を提供します。
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2017年5月1日月曜日
4月29日 ヤマブキ
七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだに 無きぞあやしき
兼明親王のこの句は、ヤマブキを読んだものとして有名ですが、ある生物学的観察に基づいています。
というのも、ヤマブキに限らず完全八重の花の花弁は雄蕊が変形してできている場合が多く、実がつかないか、つきづらいことが多いのです。
もちろん、一重のヤマブキは身をつけます。
この句を外側から見ると、西暦900年ころにはすでにヤマブキの八重が存在していたこともわかります。もともとはヤマブキの原種は一重だと思います。自然界に存在したのか、掛け合わせから出来た八重系統を固定したのか…。興味深いですね。
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