海辺に多いのがクロマツ、内陸部に多いのがアカマツです。みなさま大好きなマツタケは、アカマツの根と共生しているのでアカマツの林が無いとできないのです。
アカマツはごく一般的な植物ですが色々と特徴があります。
まずは、幹のあちこちから枝が出ないこと。育ちながら枝を増やしていくわけですが、一回出た枝の下の幹からは決して枝が出ません。このような枝を「定芽」と呼びます。反対に、イチョウやクスノキのように、幹のどこからでも条件次第で枝を出すものもあり、このような枝を「不定芽」と呼びます。
アカマツの場合は最初の3から4年で、最初の枝が出て、そのあとはほぼ一年に一回程度定芽が出るので、一つの枝分かれを先端まで辿って、枝分かれの数+4でだいたいの年齢がわかるといわれています。まあ、途中で枯れてしまう枝も多いので、そんなに簡単ではないし、樹齢400年のアカマツに枝分かれが400本あるかというとそうではないので、微妙な気もしますが(笑)。
それから、前述のマツタケとの共生関係。これはいまだ完全にその仕組みが解明されておらず、したがってマツタケの栽培もできないのです。ちなみに○谷園の「まつたけのお吸い物」の香りは、マツタケの香り成分と同一の香り成分ですので、香りだけなら、これで十分とも言えますね(笑)。私は好物です。
また、旧家の門のそばによく見られる一つの枝だけがながーく伸びたマツ。これは、植物の生理を上手に使った仕立て方法です。植物は一般にエチレンというガスを発散しています。これは、ストレスや刺激によってその量が多くなり、一定以上の濃度で生育を抑制する働きがあります。ところがストレスや刺激が少ないと濃度が少なくなり、そうなると成長を促進する働きに変わります。マツの、一つの枝だけに支えをして動かないように固定すると、揺れなどの刺激が少なくなり、エチレン濃度が低くなって、その枝だけながーく伸びるということのようです。うろ覚えですけど…(笑)。
反対に、盆栽は撫でて育てろと言いますが、この意味はもうお分かりですね。
まだまだ、マツにはいろいろと話題があるのですが、すでに疲れたので、そのうち第二回でお伝えすることにしましょう(笑)。
2011年8月11日 修善寺にて 一本だけ長く伸びた枝があります
その枝は、このように完全に固定してあります
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