2011年7月31日日曜日

夏はホットに!トウガラシ!

みなさんおなじみのトウガラシ。標準和名でトウガラシを名乗れるのはCapsicum annum L.です。ピーマンもタカノツメもシシトウも植物学的には全てCapsicum annum L.でトウガラシです。
意外なことに沖縄のシマトウガラシやタバスコペッパーはキダチトウガラシという別種で、ハバネロもシネンセ種という別種です。

御存じ辛み成分はカプサイシンが代表的なものですが、辛さを表す単位に「スコヴィル値」があります。これは、トウガラシから抽出したエキスを砂糖水(水という説も)で薄めて辛さを感じなくなる倍数を表すもので、例えばハバネロは100,000~300,000スコヴィル値ということです。これは要するに100,000倍に薄めても辛いということです。恐ろしいことに本来は人が行う感応試験だったのですが、いまは化学的手法で行っているようです。

さて、写真は私のベランダで育つタカノツメ。こいつのスコヴィル値はたしか30,000くらいだったと思います。収穫したら焼酎に漬けてシマトウガラシのように使う予定です!



2011年7月29日金曜日

またまたユリの仲間です。ヤブカンゾウ

ヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva L.)は中国原産の多年生草本。栽培化されていたのがエスケープして野生化したようです。

これは、食べられる草で、春に地上に出てくる新芽は茹でて酢味噌和えにすると、歯触りが良くておいしいし、蕾を乾燥させたものは中華料理では「金針菜」の名で食用にされます。でも、採集するときは専門家と一緒にね!球根は食べられるのかわからないけれど、まあ、食べない方が良いですね…

英語ではDaylilyと呼びます。これは花が一日でしぼむからですが、本当は2日くらい持つものもあるのです。

本種は八重で三倍体なので結実はしません。本来一重の花が、八重になったものは雄蕊が変形して花びらになっていることが多いので、結実しないものもあります。本種と似ているノカンゾウは一重で結実します。

「七重八重、花は咲けども山吹の、実のひとつだに無きぞ悲しき」御存じ兼明親王の有名な歌です。(もしかしたら、兼明親王が蓑を借りようとした女性の歌で詠み人知らず?)
これは、山吹ですが、実は野生種の山吹は一重咲きできちんと実をつけるのです。混乱するぜ兼明親王!
なんだか話が脱線しました(笑)
2011年7月23日 横浜市栄区

2011年7月27日水曜日

炎のユリ! グロリオサ

今回は、Flame Lily(炎のユリ)とも呼ばれる、グロ理長(誤変換)…もとい、グロリオサです。
学名はGloriosa rothschildiana
ユリ科グロリオサ属の球根性多年植物です。

ちなみに、ユリ科グロリオサ属とされるのは、昔から行われてきた形態的に分類を行う「クロンキスト分類体系」によるもので、最近主流となりつつある遺伝子の差異から分類を行う「APG分類体系」では、イヌサフラン科グロリオサ属となります。このブログでは基本的にはクロンキスト体系を採用しています(偉そうに…影の声)

こいつは私の大好きな花なのですが、葉っぱの先が巻きひげになっていて、周囲のものにまきついて登り、背は3メートルくらいになることもあるようです。

写真は団地に植えられていたものですが、根部はプランターごと地面に植えられていたので、冬にはプランターごと掘り上げて、室内で越冬させるのでしょう。

私もベランダで4年くらい育てましたが、球根は小さめのサツマイモ位になり、驚いてしまいました。
ちなみにこいつの球根にも、コルヒチンやグロリオシンという毒性分が含まれているようです。イモみたいで旨そうだからと言って食べてはいけません。(最近、毒のある植物の話が多いなぁ…)

国内(確か高知県)の生産者の方が、高品質なグロリオサの切り花を生産し、それが輸出されてニューヨークなどで人気となり、大層な高値で取引されているという記事を一二年前に見ました。
偉いもんです!

2011年7月23日 横浜市栄区

2011年7月23日 横浜市栄区

2011年7月24日日曜日

最近増えたぞ!オニユリ?

最近家の周りの空き地や、団地の花壇などでやたらと見かけるオニユリ(Liliun lanciflora Thunb.)らしき植物。日本原産とも中国原産ともいわれるユリ科ユリ属の植物です。

以前は全然見かけなかったのに自然と増殖している様子です。綺麗だから良いのですが気候変動なんかが影響しているのでしょうか?

良く似たものにコオニユリがありますが、オニユリは葉の付け根にムカゴをつけることで区別できます。私の家の周辺のものには全てムカゴがついています。ムカゴがこぼれてこんなに増えたのでしょうか?謎です…
2011年7月23日 横浜市栄区

2011年7月23日 横浜市栄区

2011年7月23日 横浜市栄区


キョウチクトウにご用心!

夏の花と言えば、こいつも外せません。
キョウチクトウ(Nerium indicum)です。
インド原産の常緑低木で、花の少ない盛夏に花盛りとなる貴重な花です。
大気汚染や乾燥にも強く、高速道路の緑化にも良く利用されます。
以前訪れたカリフォルニアで、道路の中央分離帯に同種が植えられていたのが印象的でした。

さて、「綺麗なバラにはとげがある」というわけで、キョウチクトウも全草に毒があります。
オレアンドリンという物質が中心のようですが、これはかなり強烈な毒性なので、決して口にしてはいけません。

死亡事故も報告があるようですし、昔、水洗便所が普及していなかったときは、キョウチクトウの葉を刻んで、蛆殺しに使ったとの話もあります。

まあ、園芸植物で他に毒性のあるものも多いので、徒に恐れることはないと思います。
人類が出す物質の方がよっぽどたちが悪いものが多いですから…

2011年7月23日 横浜市栄区

2011年7月23日 横浜市栄区

2011年7月22日金曜日

キュウリ

我が家のベランダ農園のキュウリです。
台風が心配で、ずいぶん紐でしばりつけましたが何とか無事に済んだようです。

キュウリは北インドあたりが原産とされる野菜で、学名はCucumis sativas L.
ウリ科キュウリ属の一年草で、漢字で書くと黄瓜。もともとは熟して黄色くなった実を食べていたのでこう書くようになったとか。

台風に耐えた我が家のキュウリも本日2本の初収穫。みずみずしくてとてもおいしいキュウリでした。

もちろん、今年の夏は「緑のカーテン」としても活躍してくれるでしょう。

2011年7月21日横浜市栄区

2011年7月21日横浜市栄区

2011年7月16日土曜日

台風注意!

大型の台風「マーゴン」ちゃんは、米軍情報によると20日に関東直撃です!


http://www.usno.navy.mil/JTWC/

http://www.usno.navy.mil/NOOC/nmfc-ph/RSS/jtwc/warnings/wp0811.gif


緑のカーテンやら何やら吹き飛ばされないようにきちんと固定するか、移動できるものは前日に風の当たらないところに移動しましょう!

ヤマユリが満開です!

私が勤めている会社の敷地内のヤマユリ(Lilium auratum Lindl.)が満開です。
ヤマユリは、ユリ科ユリ属の球根植物。日本原産です。

明治時代から盛んに輸出され、さまざまなユリ(オリエンタルと呼ばれる、ヤマユリやカサブランカのようなタイプ)の親となったといわれています。

神奈川県川崎市の田舎に育った私は、家のそばの雑木林の中からヤマユリを採ってきて庭に植えたものです。もう、時効ですよね(笑)
でも、山の中では何年も元気に花を咲かせるヤマユリも庭に植えると長持ちせずに、数年で絶えてしまった記憶があります。今考えると、これはアブラムシが媒介するウイルスによるものだったと思います。

ご存じの通り、香りがとても強く、林の脇を歩いていると姿より先に香りでその存在がわかるくらいです。

今回の写真は、一応ヤマユリですが、海外で増殖され逆輸入されたもので、系統などは不明です。

でも、やっぱり豪華で綺麗、そして良い香りです。

2011年7月15日 横浜市都筑区

2011年7月15日 横浜市都筑区

2011年7月13日水曜日

初めまして!家庭園芸普及協会広報委員のSです!

皆様初めまして。
日本家庭園芸普及協会広報委員のSです。

ある日、家庭園芸普及協会のHP充実のため、「ブログを開設せよ!」という事務局長K氏の厳しい命令を与えられた私S。

植物の知識もブログの知識もなく、もちろん文章、写真も全くダメという取り柄のない私にはあまりに御無体な命令でございます。

しかし、ここは家庭園芸普及協会のために粉骨砕身、滅私奉公というわけでこのブログをスタートすることになりました。

おもに散歩中に見つけた植物や、ベランダで育てている植物などの話題を、稚拙な文章と未熟な写真でお送りいたします。

御用とお急ぎでない方は、さあ、お立合い!


さあ、さっそく始めましょう。
関東の梅雨明けは気象庁の発表では7月9日でしたね。まあ、その前からあまり雨は降らなかったような気がしますが…

真っ青な空に映える花はいろいろとありますが、第一弾としてこれなんかいかがでしょう。

                                                2011年7月9日 横浜市栄区にて

ノウゼンカズラ(Campsis grandiflora)です。中国原産のノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属。いろいろな品種があるらしく、色の濃さや花の大きさはさまざまですが、どれも、真夏の青空に映える赤系の色調です。
雨にあたると蕾が落ちてしまうらしく、梅雨の時期は花がついている数が極端に少ないのですが、今年は後半の空梅雨もあって、見事な咲き具合です。

初回はこれ位でご勘弁を(笑)。

素人みたいなものなので、植物の説明や文章に間違いがあったらどしどし指摘してください!