2011年8月28日日曜日

アゲハとサンショウ

最近は花は少ないし、天気は悪いしでさぼり気味の当ブログ…
今回も花らしいものはご近所では少なくて、団地の片隅のサンショウを話題にしてお茶を濁します(笑)。

さて、サンショウはミカン科サンショウ属で、意外にもミカンに近い仲間です。学名は、Zanlhoxylum piperitum DC.

スーパーの野菜売り場で「木の芽」として売られているのは、こいつの新芽です。春に、タケノコの煮物に、サンショウの新芽を添えて一杯やるのはたまりません。

ところが、こいつの葉が好きなのはどうも人間だけではないみたい。写真は、団地のサンショウについたアゲハの幼虫です。サンショウにはアゲハとクロアゲハの幼虫が良くつきます。幼虫の時は良く似ていますが、体の中央部に走る黒い線が、クロアゲハの方が幅広なので見分けがつきます。

植物と同じくらい昆虫も好きなので、いつもほおっておくのですが、結構丸坊主にしてくれます。でも、サンショウの方も大したもので、丸坊主になると二次的に新芽が出てきたりします。これを私は豆腐にのせてつまみにしたりするので、まあ、アゲハとも持ちつ持たれつですね(笑)。

2011年8月28日 横浜市栄区

2011年8月28日 横浜市栄区

2011年8月21日日曜日

タカサゴユリ 続報

さて、前回タカサゴユリやシンテッポウユリのことについて書きましたが、続報でございます。
実は、前回アップした写真が、花弁が露出オーバーで白とびしており、気に入らなかったので、家のそばをうろうろして、いくつかの個体のアップを撮ってきたのです。

その過程で確認できたのですが、花弁外側が純白なタイプと、褐色の筋が入るタイプがあります。前者はテッポウユリの、後者はタカサゴユリの特徴のようです。そうすると、やはり何らかの原因でエスケープ(人に作られていた動植物が逃げ出すこと)した、シンテッポウユリ(タカサゴユリとテッポウユリの交配種)が種子をつけて広がった可能性が高いと思います。以下が証拠写真。

2011年8月21日 横浜市栄区 花弁の外側が褐色になるタイプ

2011年8月21日 横浜市栄区 花弁の外側が純白のタイプ

2011年8月21日 横浜市栄区 純白のタイプの咲き始めは緑がかります

2011年8月21日 横浜市栄区 しかし、なかなか綺麗な花です

タカサゴユリそれとも…

10年ほど前から、家の周りの空き地に白い花をつけるユリの仲間がやたらと増えました。調べてみるとこれはどうやら、台湾原産のタカサゴユリ(Lilium formosanum Wallace)と日本原産のテッポウユリ(Lilium longiflorum Thunb.)が交雑したシンテッポウユリ(Lilium × formolongi : hort)らしい。ところが、タカサゴユリとシンテッポウユリの区別には諸説紛々あり、これがタカサゴユリであるという可能性も捨てきれないのです。

シンテッポウユリは実をたくさんつけ、しかも発芽から一年で花を咲かせるとのこと。ユリの仲間なのでもちろん球根もできるわけで、道理でやたらと増えるわけです。家の周りのものは、その増え方からみると、シンテッポウユリではないかと推測しているわけでございます。

それともう一つ、いくつかの説の中に「シンテッポウユリは墓地に供えられた花が結実・散逸して野生化したとも言われる」というくだりがあります。実は私の家のそばには大規模霊園がいくつかあり、鎌倉も近く、お墓がたくさんあるのです。やはり、お墓から逃げ出してきたものかもしれません。

こんな風に妄想を広げるのも、植物を眺める楽しみの一つですね!

2011年8月20日 横浜市栄区

2011年8月20日 横浜市栄区


2011年8月15日月曜日

暑さに負けず  ノアサガオ

ノアサガオ(リュキュウアサガオ)は沖縄に自生する、多年生の朝顔です。関東でも野生化していて、三浦半島などでは多くみられます。学名は Ipomoea indica で日本朝顔や、西洋朝顔とは別の種です。

さて、本日8月15日は会社が夏休みなので、趣味のサイクリングで三浦半島一周をしてきました。暑いったらありゃしないのですが、そんな中でもノアサガオは元気いっぱいに咲いていましたよ。今回は、ブログを私物化して、私の愛車と一緒に紹介します(笑)。

2011年8月15日 三崎口付近にて

2011年8月15日 三崎口付近にて

2011年8月15日 三崎口付近にて

2011年8月15日 三崎口付近にて

2011年8月15日 三崎口付近にて

2011年8月13日土曜日

修善寺のアカマツ

アカマツは日本の景色に欠かせない木です。学名はPinus densiflora Sieb. & Zucc.

海辺に多いのがクロマツ、内陸部に多いのがアカマツです。みなさま大好きなマツタケは、アカマツの根と共生しているのでアカマツの林が無いとできないのです。

アカマツはごく一般的な植物ですが色々と特徴があります。
まずは、幹のあちこちから枝が出ないこと。育ちながら枝を増やしていくわけですが、一回出た枝の下の幹からは決して枝が出ません。このような枝を「定芽」と呼びます。反対に、イチョウやクスノキのように、幹のどこからでも条件次第で枝を出すものもあり、このような枝を「不定芽」と呼びます。
アカマツの場合は最初の3から4年で、最初の枝が出て、そのあとはほぼ一年に一回程度定芽が出るので、一つの枝分かれを先端まで辿って、枝分かれの数+4でだいたいの年齢がわかるといわれています。まあ、途中で枯れてしまう枝も多いので、そんなに簡単ではないし、樹齢400年のアカマツに枝分かれが400本あるかというとそうではないので、微妙な気もしますが(笑)。

それから、前述のマツタケとの共生関係。これはいまだ完全にその仕組みが解明されておらず、したがってマツタケの栽培もできないのです。ちなみに○谷園の「まつたけのお吸い物」の香りは、マツタケの香り成分と同一の香り成分ですので、香りだけなら、これで十分とも言えますね(笑)。私は好物です。

また、旧家の門のそばによく見られる一つの枝だけがながーく伸びたマツ。これは、植物の生理を上手に使った仕立て方法です。植物は一般にエチレンというガスを発散しています。これは、ストレスや刺激によってその量が多くなり、一定以上の濃度で生育を抑制する働きがあります。ところがストレスや刺激が少ないと濃度が少なくなり、そうなると成長を促進する働きに変わります。マツの、一つの枝だけに支えをして動かないように固定すると、揺れなどの刺激が少なくなり、エチレン濃度が低くなって、その枝だけながーく伸びるということのようです。うろ覚えですけど…(笑)。
反対に、盆栽は撫でて育てろと言いますが、この意味はもうお分かりですね。

まだまだ、マツにはいろいろと話題があるのですが、すでに疲れたので、そのうち第二回でお伝えすることにしましょう(笑)。


2011年8月11日 修善寺にて  一本だけ長く伸びた枝があります



その枝は、このように完全に固定してあります

2011年8月10日水曜日

お茶を濁す…ベランダ農園

今日と明日は、夏休み。
伊豆に行ってくるので、植物たちを報告しますね。伊豆は横浜とはいろいろと違いがあり面白いのです。

というわけで、今回はお茶を濁して我が家のベランダ農園のご紹介を。

ベランダで、ほとんどの野菜や花が出来ます。土が20ℓくらい入る容器があれば、なんでもできます。昨年はメロンまで作りました。

3階よりも上の階では虫の害も少なくなり、日当たりさえよければ非常に快適です。
全て、自宅(横浜市栄区の団地二階)にて2011年8月7日に撮影したものです。

キュウリの緑のカーテン。左側の短いのが「ガーキン」というピクルス用の品種で右側の長いのが「フリーダム」という、いぼなし生食用品種です。両方とも種まきから行いました。

やたらと実をつけているピーマン。苗をホームセンターで購入しました。

まだ、熟していませんが、ミニトマト「アイコ」。プラム型の品種で、苗をホームセンターで購入。

「アイコ」の花

ミニトマト「ミニキャロル」。苗をホームセンターで購入。

バジルです。種からそだてました。ジェノベーゼソースを大量に作り、小分けして冷凍します。

元気のでる、ヒマワリ「ビンセントオレンジ」と「ビンセントクリアオレンジ」。ヒマワリを育てるのは小学校以来ですが、すくすく育って楽しいです。種まきから開花までの日数がだいたい計算できるので、切り花にしてプレゼント用にもOK。これは二作目ですが、一作目は57日で咲きました。

ディルです。タネ育からてました。キュウリの「ガーキン」と一緒にピクルスに利用します。ピクルスが大好きで、市販のは甘くて満足できないので手作りします。ハンバーガーに入れると最高!

手前はラッカセイ、奥は一度登場したタカノツメ。

2011年8月7日日曜日

こいつがありました!アベリア

前回に「8月は花が少なくて困る」というようなことを書きましたが、散歩していたらこいつが咲いていました。

アベリア(ツクバネウツギ)です。生垣や公園などによく利用される植物ですが、学名はいろいろな説があるようで私は自信がありません(泣)
Abelia chinensis と Abelia uniflora の交配種という説が代表的)

春から秋までだらだら咲いて、いったい何時が咲き時なのかわからない植物です(笑)
でもたしかに、花のなくなる8月に咲くので、蜂や蝶の蜜源としては貴重ですね。

ツクバネというのは羽子板の羽のことです。日本にはそのものずばりツクバネという植物もあり、こいつの実は羽子板の羽そのもののかたちです。

2011年8月6日 横浜市栄区

2011年8月6日 横浜市栄区

2011年8月6日 横浜市栄区

生きた化石 メタセコイア

8月は、花の咲く植物が少なくて、このようなブログをやる身にとっては受難の月。
地味な樹木でしばらくはつなぎましょう…

世の中に生きた化石というのはいろいろとあります。シーラカンス(魚類)なんかが有名ですよね。最初に化石で見つかって、そののちに現在生きていることが判明したものが言われることが多いようです。

1939年に日本で化石が見つかり、1945年に中国で生存が見つかった、メタセコイア(Metasequoia glyptostroboides Hu et W.C.Cheng)もその一つです。
スギ科メタセコイア属の落葉針葉樹です。メタセコイアのように属のなかにその種一つしかないものを一属一種と呼び、生きた化石にも多くみられます。実はイチョウもそうなんです。

メタセコイアは一属一種の生きた化石ですが、増殖されたものがやたらと植栽されているのでちっとも有難味がありませんね(笑)

でも、こいつの素敵なところは、落葉針葉樹ということ。落葉針葉樹で代表的なのは日本ではカラマツなんかがありますが、これは関東では長野などの高地に行かないとみることができません。メタセコイアはよっぽど日本の気候に合っているらしく、どこにでもあり、美しい新緑(萌芽)と紅葉を簡単にみることができます。

ちなみに、「世界一大きな木」として有名なセコイアは別種で、北アメリカのカリフォルニアなどに分布するレッドウッド(Sequoia sempervirens)のことを指します。

2011年8月3日 横浜市都筑区

2011年8月3日 横浜市都筑区

2011年8月3日水曜日

猿も木から落ちる?サルスベリ

真夏の花といえばこれも!サルスベリ!
Lagerstroemia indica(L.)Pers.
別名は百日紅です。中国南部原産の落葉中高木です。

真夏は花木も花が少なくなるのですが、これは夏中ずっと咲き続ける偉いやつです。

名前の由来は、成長するにつれて樹皮が剥がれ落ちて、つるつるになる幹からとられた名前です。でも、猿にすれば「なめるんじゃねぇ!」と言いたいことでしょう(笑)。

ほかに「登らない、登れない系」の名前の植物には、ヒロハヘビノボラズなどがあります。いったいどんな植物なのか?一度は見てみたいものです。

また、サルスベリは葉序(葉のつき方)に特徴があります。コクサギ型葉序といって、枝の片側に2枚連続で葉がつき、今後は枝の反対側に二枚連続で葉がつくというあまり見かけない葉序です。

サルスベリを見かけたら、じっくりと観察してみてくださいね。