2015年3月17日火曜日

3月13日 サクラ 3

これも、片親がカンヒザクラです。
オカメザクラ

カンヒザクラとマメザクラの交配種。色の濃い小さめの花を3月上中旬につけます。
これは、私が勤めている会社横の地区センターにあるオカメザクラで、いつも春本番を告げてくれる有難い株です。
マメザクラというのは、富士山周辺に分布する原種で、フジザクラともいわれます。小さな白色~薄ピンクの花を咲かせ、樹高も大きくなりません。寒さにも非常に強く、庭木などにも向いています。オカメザクラも、この株を見ている限り、巨木になるような性質は無いと思われます。




2015年3月16日月曜日

3月14日 サクラ 2

早咲きのサクラの片親に良く利用されるのが、カンヒザクラです。
台湾原産で、横浜では三月上旬から中旬にかけて開花することが多いようです。
既出のカワヅザクラや次回紹介のマメザクラ、横浜市民にとっては身近な品種のヨコハマヒザクラなどの片親に利用されています。

花色は非常に濃いピンクで、花びらは完全に開き切らずに、釣鐘型の花を下向きに咲かせるのが特徴です。






2015年3月15日日曜日

3月9日 キノコ

前回にシデコブシの回にも書きましたが、ここのところ天気が悪くて風があるため、動きやすい植物は写真が撮りづらい!
そんなわけで、今回は揺れないキノコ(笑)

キノコと言うのは、はっきり言ってカビです!カビの花(生殖器)が大型になるものを便宜上「キノコ」と呼んでいるだけなのです!ほら、シイタケが食べたくなくなったでしょう?(笑)
でも、カロリーがほとんどゼロで、シイタケなどはビタミンDの前駆物質のエルゴステロールを豊富に含んでいる健康食材。しかも良いダシが出ますので、積極的に食べたいですね!

さて、キノコは葉緑素を持たない従属栄養の生物で、栄養の取り方からは、腐生菌(木材腐朽菌、腐朽菌)、共生菌(菌根菌、冬虫夏草類)などに分かれます。分類学的には多くは担子菌類ですが、子嚢菌に含まれるものもあります。

我々がスーパーで買って食べているキノコは、担子菌で木材腐朽菌もしくは腐朽菌が多いのです。前者はシイタケ、ヒラタケ、エノキダケなどで、後者はマッシュルームなどです。植物と共生する菌根菌(マツタケなど)は、栽培方法が確立していないものが多く、野生のものを採るしかないので一概に高価です。

キノコの中には、食用は出来るのですがアルコール分解酵素の働きを阻害するものがあり(ササクレヒトヨタケなど)、これらはお酒と一緒に食べると酷いアルコール中毒様の症状を起こすそうなのでご用心を!

今回のキノコ達は、担子菌類で木材腐朽菌である、カワラタケの仲間でしょうか?








2015年3月14日土曜日

3月9日 シデコブシ

この時期から4月にかけて、街で見かけるモクレンの仲間は、モクレン、ハクモクレン、コブシ、シデコブシ、タムシバです。

今回は、シデコブシ(もしかするとシデコブシとコブシの交配種かも…)

シデコブシ
Magnolia stellata
モクレン科モクレン属の落葉低木
原産地:三重県、岐阜県、愛知県(日本固有種)
別名:ヒメコブシなど

非常に分布が限られた植物で、野生種は絶滅危惧種に指定されています。花びらはコブシの6枚、ハクモクレンの9枚(正確には花びら6枚+萼3枚)に比べると極めて数が多く、色も白からピンクまでと多彩で見分けは容易です。花期もシデコブシ→コブシ→ハクモクレン→モクレンと遅くなっていく気がします。

ここのところ、土日が天気が悪く、風でゆらゆら揺れる花木の花を撮るのに苦労が多くて困ります。それでも今回は、低い位置に咲く花があって、花芯を撮れたのはラッキーでした!







2015年3月12日木曜日

3月9日 ギンヨウアカシア

全然知らなかったのですが、3月8日は国連が定めた「国際女性デー」なのですね。
この日には、女性にミモザのリースやブーケをプレゼントするのが習わしだそうです。

でも…実は植物学的には、この「ミモザ」はミモザではないのです(笑)
ややっこしい話なのですが、分類学的には「Mimosa spp.」は、マメ科オジギソウ属の植物で、通称「ミモザ」と呼ばれる黄色い花の当種は、ギンヨウアカシアというマメ科アカシア属の植物なのです。

ギンヨウアカシア
Acasia baileyana
マメ科アカシア属
原産地:オーストラリア
別名:ミモザ

繊細な銀葉と、目に鮮やかな黄色い花をアンズの花と同じ季節に咲かせる当種は良く目立ちます。寒さにも強く、横浜では問題なく越冬するため庭木として利用され、さらに花屋さんでも「枝物」として使われます。

ゆで卵の黄身をつぶして、生野菜に振り掛けた「ミモザサラダ」は、黄身の色を当種の花に見立てたもの。これを「ギンヨウアカシアサラダ」などと言ったら、ちっとも美味しそうじゃないし、花屋さんで「ギンヨウアカシアのブーケお願いします」なんて言うのも厭味ったらしいので、ここは通称の「ミモザ」でOKとしましょう(笑)

こんな例は沢山あって、日本で良く言う「アカシア」は「ハリエンジュ」もしくは「ニセアカシア」を指していることが多いのです。これも「ニセアカシアの雨が止むとき」なんて言ったら、身も蓋もないですもんね(笑)


手前のお宅のオリーブと対になってます!



立派な木です





もしかするとフサアカシアかも…

2015年3月10日火曜日

3月9日 アンズ

君子防未然 不處嫌疑問 瓜田不納履 李下不正冠

この漢詩の大意は、「君子たる者、怪しまれるような行いは慎みなさい」ということなのですが、最後の節に出てくる「李」がアンズのことです。(良く考えたら、李は親戚筋のスモモでした…。訂正いたします)

アンズ
Prunus armenica
バラ科サクラ属の落葉高木
原産地:中国
別名:唐桃など

ウメとは近縁で容易に交雑し、豊後系にはウメとアンズの交雑種があることは、ウメの項でもお話しました。アンズは完熟すると甘く、生食の他、ジャムや果実酒にも向きます。そして、果肉を食べた後に残ったタネが「杏仁」です。そう、杏仁豆腐の香り付けに使われるのはアンズのタネなんです。あの香りって、なんとなくアーモンド的だと思いませんか?実はアーモンドもアンズの親戚なんです!ビックリでしょう?

さて、アンズです。私はこの花の色が大好き。なんというか、ウメやモモのからっと乾いた色ではなくて、もっと湿った美しさ。「色はピンク」などと書いてありますが、絶対にピンクではありません!調べてみるとどうも「淡紅色」というのが近いようです。

また、色味を認識していないと、ウメ・モモの花との区別がしづらいのですが、花期はウメとモモのちょうど間位で、開花すると萼片が反り返ることで区別ができます。

今が盛りです。ぜひ、近所で探してみてください。






萼片に注目



反り返っています



こちらはウメの萼片

2015年3月8日日曜日

3月1日 イブキの葉について

 以前、建長寺の回にお伝えしたイブキ(ビャクシン)
 通常は、優しくチクチクしない葉をふさふさとつけます。
ところが、剪定が強すぎたり、生育条件が悪かったりすると、スギにそっくりな枝が発生することがあります。
 このような枝は生育が早く、おそらく悪条件の中での生育戦略として発生するのでしょう。どういう仕組みで、このような生育をする遺伝子が発現するのか、イブキに聴いてみたいものです!


通常の葉



スギに似た葉



このような枝は生育が速い