2015年1月11日日曜日

1月2日 紫色の葉たち

冬になると葉を紫色に変える植物が多く見られます。
これは、アントシアニンという色素配糖体(色素本体のアントシアニジンと糖が結びついたもの、ちなみに色素本体と色素配糖体を合わせてアントシアンと呼びます。自然界ではほとんどが色素配糖体の形で存在します)が蓄積されるためなのです。その理由は?といわれると諸説あるようで…

①耐凍性をあげるため
細胞内に糖を含むアントシアニンを蓄積し、凍結による細胞の破壊を防ぐ。

②光合成の明反応部分の効率を下げるため
光合成はエネルギー(ATP)を作る明反応と、エネルギーを使って二酸化炭素を固定する暗反応に分かれます。低温(高温、過湿、乾燥)などのストレスにさらされると、暗反応の効率が落ちて、明反応で作られたエネルギーが活性酸素を作るのに使われてしまい、出来た活性酸素が光合成回路を破壊してしまいます(光阻害)。これを防ぐために、紫外線の吸収効率が高いアントシアニンを蓄積して、わざと明反応の効率を下げる。

この二つが代表的な理由のようですね。

まあ、生命の営みは不思議なものですから、植物に聞いてみたら案外
「冬のファッションだよ!暖かそうで良いだろ!」
と言うかもしれませんね(笑)

いずれにしても、紫色の葉は、植物たちの冬場の装いです!


センニンソウ?



センニンソウ?



ジシバリ?



ハルノノゲシ?



ヒメスイバ?




2015年1月10日土曜日

1月2日 冬の樹形

そういえば、書き忘れてましたが、「新・植物歳時記」の毎回のお題目は、写真撮影の日付と植物名(自然現象)という構成です。「植物歳時記」では、お題目に結構頭を悩ませたのですが、これなら悩みません。おまけに、このブログには検索機能が無いため、題目に直接的に内容が反映される方が親切かなと思い…。と、思ったら検索機能ありました(笑)。試してみたらけっこう便利…。まあ、それはさておき…。

今回は家のそば(栄区)でみた素敵な風景から。

本来、この地域は常緑広葉樹で構成される「照葉樹林」の地域です。しかし、現在残る植生は、ほとんどが木材用として植林されたスギ・ヒノキか、薪や炭などの燃料用として植林されたコナラなどの落葉広葉樹からなる薪炭林です。

言うまでもなく、落葉樹はこの時期は葉が落ちています。常緑のスギ林をバックに、葉が落ちた落葉樹の樹冠が美しく輝いていました。はっきりと樹形が判るのは、この季節の楽しみです。

こんな時、露出を落とし気味にし、また、モノクロームで写真を撮るのも面白いものですね。

















2015年1月7日水曜日

1月2日 ロウバイ(蝋梅)

年明けと同時に咲く花と言えば、これを忘れてはいけませんね。場所によっては年内からぼちぼち開花する株もあるくらいです。

ロウバイ
Chimonanthus praecox
ロウバイ科ロウバイ属の落葉低木
原産:中国
別名:唐梅など











 ロウバイ(蝋梅)の名前は花が蝋を塗ったような色調と光沢だからと言われています。別名の唐梅は中国原産ということからですね。
 梅と名が付きますが、ウメとは縁もゆかりもない植物です。落葉樹だと思いますが、この時期まで少々緑が残る葉をつけていることも多いように感じます。
 ロウバイは早春真っ先に咲くありがたい花ですが、それをさらに印象付けるのがその香り。なんとも表現できない良い香りで、撮影が楽しみな植物の一つです。
 また、花の時期にもカマスの様な実が残っており、この中に種子が入っています。実生で増やしやすい樹種と言われているようです。今回も三粒ほどいただいたので、播いてみようかと思います。ただし、この種子は、少々G(ゴキブリ)の卵嚢に似ているのが気になります(笑)。それと、今回、種子を採るために実を砕いていたら、中から数匹の白い幼虫が…。驚きました。ロウバイだけに狼狽しました…。なんちゃって…。新年早々、お後が宜しいようで…。


2015年1月4日日曜日

1月2日 ボケ(木瓜)

 皆様、明けましておめでとうございます!本年も「新・植物歳時記」をご贔屓のほど、よろしくお願い申し上げます。

 さて、新春とはいえ、実際の春はまだまだ遠く、植物たちも夢の中です。そんな中でも、いくつかの花木や、球根植物は花をつけ始めて新春を彩ってくれています!

ボケ
Chaenomeles speciosa
バラ科ボケ属の落葉低木
原産地:中国











 中国原産とはいえ、園芸的には馴染みの深い植物ですね。様々な品種があり、これは自宅そばでは毎年、最も早く開花する株です。原種はおそらく樹高が1~2m位で、濃い朱色の一重の花を咲かせると思われます。この株は白とピンクの絞り咲きで、いかにも「初春」という色が美しいですね。
 品種によっては夏以降に、ウメを細長くしたような実が採れて、これは果実酒に利用可能です。
 日本には近縁種のクサボケ(Chaenomeles japonica)が自生しています。これは、開花期が3月~4月頃とずっと遅く、樹高も30㎝位とコンパクトで、朱色の花を咲かせます。自宅そばで野生株を確認しているので、花が咲いたらアップしたいと思います。
 名前は、瓜の様な実がなる木「木瓜」(もっけ)が、転訛して「ボケ」となったという説が主流のようです。

2014年12月29日月曜日

12月のハーブたち

来年1月からの再開にしようかと思っていましたが…。冬休みだし、今日(12月29日)は雨で外に出られないし…。
ウォーミングアップ…。

さて、私は植物も好きですが、料理も大好き。そんなわけで、ベランダでハーブを栽培したり、団地の片隅に、勝手に「ゲリラ定植」したりして、料理に利用しております。今回はそんなハーブたちの12月27日の姿をお届けしましょう。

オレガノ
Origanum vulgare
シソ科ハナハッカ属の多年草
原産地:ギリシャなど
別名:メキシカンセージ、ワイルドマジョラムなど



これは、挿し芽してポットで養生中です。もう一か月くらいになるのですが、枯れる感じがしないので発根したのかな?ピザやメキシコ料理などで良く使われるお馴染みのスパイスですね。乾燥させても香りが残るので、瓶入りも多く販売されています。ハナハッカ属という通り、花も綺麗らしいので夏場が楽しみです!


ディル
Anethum graveoiens
セリ科イノンド属の一年または越年草
原産地:西南アジア~中央アジア
別名:イノンドなど






この株は、ベランダで9月に種まきしたものです。春まきも秋まきも出来るのですが、収穫量を増やしたいのなら、株が大きくなる秋まきがお勧めです。スパイスとしては、葉は海産物やポテトサラダにジャストフィット!乾燥させると匂いが抜けるので、生の葉を楽しむのには自分で栽培するのが一番です!しかし、いつも大きくなりすぎて使い切れなかったのですが、バジルペーストの要領で、ペーストにすると、香りも残るし冷凍保存も出来るということが判ったので、来年は無駄にしないな(笑)。ちなみに最後まで栽培すると採れる種子は、ピクルスに最適です。春以降はキアゲハの幼虫の食草となるので、要注意です。


コリアンダー
Coriandrum sativum
セリ科コエンドロ属の一年または越年草
原産地:地中海東部地方
別名:コエンドロ、パクチー、シャンツァイ、カメムシソウなど



これも、9月にベランダで種まきしたものです。こいつも株が大きくなる秋まきがお勧め。スーパーで買うと高いけれど、自分で栽培すると「嫌というほど」採れます(笑)。葉はエスニックな料理には欠かせませんね。種子は粉にしたものがカレーの主要なスパイスの一つです。たくさん取れたら「老虎菜」がお勧め。これは、中国東北部のサラダらしいけれど青唐辛子とネギ、コリアンダーの葉を甘酢ニンニクドレッシング(?)みたいなので和えたものです。辛いけれど、強烈に旨いんだよなぁ…。こいつも、キアゲハの幼虫の好物です。花もなかなかの美しさです。










2014年12月23日火曜日

新・植物歳時記!始まります!

皆様、お久しぶりです。日本家庭園芸普及協会・広報委員の清水でございます。
さて、皆様に親しんでいただきました「植物歳時記」が1,000回で終了したのは、7月20日でした。
あれから、約半年…。充電終了しました!

2015年1月から「新・植物歳時記」始まります!
「新・植物歳時記」では、神奈川県の植物を中心に、広く自然現象にも触れていきたいと思います。更新回数は一週間に1~2回程度で、その分、少々突っ込んだ内容にできればと考えています!もちろん、このブログの特徴である「ほぼリアルタイム(笑)」と「自分で撮った写真」の原則は守りますよ!
乞うご期待!


2014年12月21日 自宅にて 「カキナの上の水滴」

2014年7月20日日曜日

最終回! 長い間ありがとうございました!!

2011年7月9日に始まったこのブログも、今回でちょうど1,000回.。そして、最終回となりました。
記念すべき第一回と同じ、ノウゼンカズラが最終回の植物です。
つる植物の中でも、コイツは一番夏空が似合うような気がします!

さて、ジャスト3年間、お付き合いいただきました皆様、本当にありがとうございました。
更新は終了しますが、過去ログは残ることになろうかと思いますので、気になる植物があったら、見直してあげてください。

このブログで皆様にお伝えしたかったのは、特別な場所に行かなくても、身近に素敵な植物たちがあるということです。うつむき加減の時には野草や花壇の花たちが、涙がこぼれそうで空を見上げた時には木々たちが、いつも皆さんの近くにいるのです!

乏しい知識でネタも尽き、「あ→ん」までを書き尽くしてしまいました(笑)
少々の充電を行い、またどこかでお会いできる日を楽しみにしております!
それでは!皆様の人生が植物と共にありますように!

写真は2014年7月12日に横浜市栄区で撮りました。


「あ」













この写真だけ7月20日に撮りました



「ん」

それでは、またどこかでお会いしましょう!